たった一言で報われる育児

初めての出産、子育てを経て振り返ると、子供が2歳になるまでは本当に余裕のない子育てをしていたとしみじみ思います。子供を産めば少々大変でも頑張れる、子供をいとしむ毎日が待っているのだと思っていたのに、実際は産んだその瞬間からやるべきことがどっと押し寄せてきて、子供が可愛いかどうか感じる暇も余裕もありませんでした。ただひたすら毎日、泣かせないように泣かせないように、おっぱいをあげておむつを替えてお風呂に入れて抱っこをして…腕から離すと必ず泣き出すので、朝まで抱いてあやしたことも何度もあります。初めての経験を体で覚えている最中に子育ての本などはほとんど役に立ってくれず、誰に評価されるわけでもないのに、理想の母親像に押しつぶされそうになったりもしました。自分の子育てに自信が持てないまま、子供が2歳になったある日、散歩をしていてご近所の年配の女性に声を掛けられました。子供がたどたどしくも笑いながら挨拶をすると、その女性が「とっても素敵な笑顔ねえ。お母さん、頑張って育てているのね。」と言ってくださいました。そんな事を言ってもらったのは初めてだったので嬉しくて、泣かないようにするのが大変でした。そのたった一言で、抱えていた気持ちを包み込んでもらったように感じます。子育ては本当に、戸惑いと不安の連続ですが、その気持ちを楽にしてくれる瞬間も必ず訪れるものです。今はその繰り返しの先に、巣立っていく子供の姿を見る日が来るのが楽しみになっています。

子育てとは自分育てである。